フルーツと工芸の里 広川
野口織物
派手さはないが堅実に技術改良に取り組む機屋ん。
大正時代より久留米絣(動力)の生産を始め、現在三代目に至る。昭和30年代まで従来の単糸及び42双糸を主に生産を行う。昭和40年代に入ると、ライフスタイルの変化等で絣の重要が激減する。この為父(清雄)の試行錯誤の末、今までの久留米絣の風合と違う新商品を開発する。従来の平糸ではなく、緯糸に凹凸のある12番ネップヤーンの糸を使用。この風合が人気をはくし「野口紬」というブランドで新たな需要開拓につながった。現在三代目になる私も、日々、現在のニーズに合うような、色、柄、素材開発に従事しています。

主力商品は、緯糸の絣だけでツバメや流水、花柄などを表現する絵絣と、織締絣、機械括り絣と杢(もく糸(2〜3色の糸を撚り合わせた糸)を併用し小格子、千鳥格子、網代格子など比較的渋めで無地に近い柄を得意としています。さらに織機の工夫改善で凹凸感のある縮素材を開発したり、最終仕上げ乾燥は天日干しを基本としていますが、梅雨時や台風シーズンは天日干しに限りなく近い条件のオリジナル乾燥室で乾かし、一定の仕上がりになるよう努めています。
絵絣(横双)

具象模様を織り出す方法の一つで、経糸は絣糸ではない無地の糸を使用、緯糸の括り絣だけで、デザイン柄を表現するので、その部分は経糸が被さるので、渋く織りあがる。

矢羽根
麻の葉
縮み

高温多湿な日本の気候風土の条件で、少しでも快適に過ごすため、全国各地で昔からその地方独特の縮が生産されてきました。平成5年織機の改良で経糸の配列の中の一部分の糸を五本置きに規則的に張力を弛ませることにより、表面変化を起こさせ凸状に織り上げる事に成功した。

一般的な機ごしらえは、下の経糸巻取りドラッグに経糸全てを巻き取り織り上げるが、この織機には上にもドラッグが装置され、そこは緩めに糸が張られ、緯糸が織り込まれる時、凸状にもりあがる。
縮み織改良織機
天日干し及び乾燥室

隣のボイラー室から引いた温水がパイプを通過する時の熱を利用し、室内を暖め青い竹竿からつるした布を乾燥させる。床をコンクリートにすると、短時間で乾燥してしまうので、あえて、土と小石にし、適度な湿度を与えつつ、時間をかけて乾燥させている。

天日干し
乾燥室